生き様を映し出す「鏡」

  • 2012.09.25 Tuesday
  • 00:11
ある利用者さまが病院に入院され、うちの施設をやめられた。


進行性の難病を抱えられている方で、うちの施設に入って約半年、どんどん病状が悪化して行き、病院に緊急搬送されそのまま入院になったのだ。

その方との関わりを通じて、私たちはとてもたくさんの事を学ばせていただく事が出来た。



私たちは毎日、近いうちに必ずやって来るその利用者さまとの別れの日まで、決して後悔の無い関わりをしたいと思っていた。

それは毎日の、その一瞬一瞬が勝負だった。常に最良の方法を試行錯誤しながら取り組んで行った。


また、日々状態が変化する利用者さまの対応に、スタッフ一同、毎日毎日議論を重ね、より良いケアを検討し、技術をアップさせて行った。

昨日まで出来ていたやり方が、もう次の日には出来なくなるという事が常に起きていた。


時には、もう自分達には対処できないのではないか?と思われる難題もいくつもあったが、一つ一つ乗り越えて行った。



利用者の奥様からはいつも

「茶話さんでいつまでも見てください。本当にお願いします。」
と言われ、我々はその想いに応えようと必死になった。




その利用者が入院してから一週間が経とうとしている。

今だにその利用者の事を思い出す。

そしてあのときの対応は果たしてベストだったのだろうか?

と自問自答する。



しかし、今はヤリ切ったと思える。

利用者さまにはうちの施設に来ていただいたときには、多くの喜びと楽しみを共有でき楽しく過ごせたと思っている。

そして、何事も無く安全に、病院という次の施設に引き継ぐ事が出来て、本当に良かったと思っている。



このケースを通じて、スタッフ一同本当に良くがんばったと思うし、成長したと思う。

本当に誇りに思えるスタッフばかりだ。



私たちは利用者さまの「生き様」や「命」を通じて、人生を学んでいる。


これは「本気」にならなくては絶対に得られない学びだ。


介護は自分達の生き様を映し出す「鏡」のようなものだと最近気づいた。








 正田進






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介護には夢がないか?

  • 2012.09.17 Monday
  • 08:37
先日、テレビをつけたら自民党総裁候補者の討論会をしていた。

司会者の方が、
「今後、日本の産業の発展のために、何の分野に力を入れていかれますか?」

という質問に対して

林芳正さんが、「介護です。」と答えたのに対して、町村信孝さんが

「介護なんて夢のないこと言っていないで、研究開発分野のような夢のあることに力を入れるべきだ」

なんてことを言っていた。



なんだか暗い気持ちになった。

確かに、資源のない日本は、技術力をアップしてモノづくりを強化する研究開発に力を入れることはとっても大切なことだと思う。そこに異論はない。


しかし、介護には夢が無い?


果たしてそうなんだろうか??



介護事業がますます整備されることで、自分の老後の心配がなくなり、若い人がますます意欲的に働ける世の中にならないだろうか?

自分の親や親族の介護の心配が軽減され、その分自分の仕事に打ち込めて、産業が発展するということはないだろうか?


介護事業の発展により、お年寄りがもっと元気になり、もっと社会に進出するようになってくると、お年寄りをもっと大事にするという考え方にならないだろうか?

その活力を社会に活かしていくことで、もっと社会を活性化させることができないだろうか?




別の視点で考えてみたらどうだろう。


お年寄りを敬い、大事にする社会を作り上げることは、今の日本のような経済力で人間の価値を図るような時代から、人間を大事にする時代へと昇華することにつながらないだろうか?


野口嘉則さんはフェイスブックの投稿の中で次のように言っていました。


「老人は、老人であるというだけで、
尊敬に値する存在でした。

喜びや悲しみとともに長く生きてきたということは、
それだけですごいことであり、
人間として最も価値あることだと考えられたのです。

そして、老人が亡くなるということは、
社会の貴重な財産が失われることでもあったのです。

あらためて考えてみますと、

人間は生きていく中で、
さまざまな悩みや困難に直面しますね。

人生には、
嬉しいことや楽しいこともある反面、
悲しいことや辛いこともあります。

それらを経験しながら生きていくことって
すごいことですよね。

僕たち人間は、
生きているだけですごいと思うんです。

ましてや、長く生きてこられたお年寄りは、
本当にすごいと思うんです。

世界中のお年寄りに心から敬意を表します。」と






そんなお年寄りの健康や生きがいを育み、生き生きと暮らせるお手伝いをすることで、日本がより豊かな国になっていく。


そんなことにつながる介護事業って、とっても夢があると思うんだけどな。


今日は敬老の日。

お年寄りに敬意をもって過ごしていきたいと思っています。
 





正田進






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介護を始めて半年

  • 2012.09.05 Wednesday
  • 00:24
9月になった。今年の3月1日に介護事業所の開設許認可を受けてから、ちょうど半年になった。

いろいろな発見と気づきの多い半年間であり、最も時の経つのが早かった半年間だったかもしれない。
多くの方に支えられ、多くの仲間のおかげでここまでやってこれた。本当に有難い。

そんな私のこの半年について振り返って考えてみたい。



この半年を振り返ってまず最初に思ったことは、この半年間、過去の経験にアクセスするときに、飲食会社にいたときの前の経験にアクセスすることが多かった。そういった経験の中で考えたことは、

今こうしてこの事業をすることができているのは、過去の経験のすべてがつながっているからかもしれないと思えるようにもなった。


中学校の時に水泳の指導員をしたことも
高校の時に、福祉施設でボランティアをしたことも
作業療法士の専門学校へ通ったことも
重症心身障がい者の施設で働いたことも
福祉施設のコンサルティング会社で働いたことも
飲食店の経営、フランチャイズ、人財教育などにたずさわったことも。
すべての経験が今、本当に活きている。

多くの仲間との別れを経験し、多くのビジネスの失敗も経験し、多くの人に迷惑もたくさんかけたし、苦しい思いもたくさんしてきた。
そんな数々の失敗や成功の体験がすべて役になっている。


いやむしろ、すべての経験こそがこの事業をするために、この会社を経営するために、すべてが必要だったことだと思えるのです。


二つ目に考えたことは、日々命に触れる仕事をする中で、命の尊さや重みを再認識することができたこと。そして、その重みを自分自身の生き方にも生かしていくことができたことだった。

「今日という日が人生で最後の一日になるかもしれない。
もし本当にそうだとしたら、これから予定していることは、本当にすべきことなのか?」


この問いを毎日自分自身に問いただし、日々を送ってきた。

そして一期一会の精神で、今ここという瞬間に集中して人とかかわり、自分の人生を生きていけるようになった。

またいじめや自殺、虐待、最近では出生前診断など、命に係わる問題について深く考えるようになった。



そして三つ目に考えたことは、この事業を行おうと思ったのは、震災があったことが大きく影響しているということに気づいた。

震災が起こり、今までやっていた自分たちの飲食事業が軒並み大不振に陥ったのだ。

その際、自分自身の人生を再度振り返って、必要のないもの、本当に必要なもの。そういったことを徹底的に考え、不必要なものをすべてをそぎ落とし、本当に大切なものだけを考えたことで、見えてきたことだったのだ。

震災がなければ、この事業には取り組んでいなかったかもしれないということである。



そんな3つのことがこの半年間を振り返って浮かんで来た。
そして、そんな半年間を一言でまとめてみると、




「生きている」という実感を最大限感じられているということ。


そして、「今までの人生で最良のときだった」と思えていること。




私にとって、この半年はこんな半年でした。。




有難い。本当に有難い。



次の半年はさらに良い半年にしていきたい。








正田進






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